HOLON207
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❶「生理休暇」❷「家族の絆休暇」と「育児休業」時代の流れと、社員からのひと言「痒い所に手が届く」気配りと温かさのある制度に▼制度の充実に取り組んだきっかけは?当社は社員の約6割が女性の化粧品会社で、2005年からピンクリボン活動として女性社員の健康支援活動に取り組んでいました。2019年には世の中の「働き方改革」の動きを受け、フレックス制度の拡充や、時間単位年休の導入など、当社でも働き方を見直しました。そのような取り組みもあり、ある社員から「うちには、こういう制度はないんですか」と問い合わせが寄せられました。それらの制度はあったものの、活用している人はわずかでした。そこで、制度の充実と認知度向上に力を入れることになりました。▼具体的にどんな制度を充実させましたか?やはり女性社員の働きやすさという視点は外せませんでした。女性は毎月の生理はもちろん、妊娠や出産、育児とライフイベントの変化による健康面への影響が大きいものです。また、子どもが生まれれば、生活リズムや時間の使い方にも変化があります。そこで、健康面のサポートとして「生理休暇」、家族の時間を応援する「家族の絆休暇」、気持ちよく「育児休業」が取れるような風土づくり、さまざまな事情で一度退職されても戻ってこられる「ウェルカムバック採用制度」などに力を入れました。女性社員が多い当社でも、これまで生理休暇を取得している社員は少数でした。取得率が低いのは、制度自体を知らない社員が多いことが原因の一つだったので、周知活動も兼ねて、全社員にアンケートで新名称を募集し、女性を意味する「Female」の頭文字を取って「エフ休暇」と改名しました。また、生理中の体調不良だけでなく、PMS(月経前症候群)にも範囲を拡大し、年間の取得日数は上限なし、時間単位でも取得できるように変更しました。さらに、生理やPMSによる体調不良はあらかじめ申請することが難しいので、当日に連絡することで取得できるようにしたのも工夫した点です。▼実際に「エフ休暇」に変更して 取得率は変化しましたか?女性社員約200名のうち、これまでは年間で延べ20名程度でしたが、延べ約50名ほどに増え、多いときは延べ62名が取得した年もあります。この結果から、多くの女性社員が、生理休暇が必要なほどの症状を抱えながら働いているということもわかりました。▼名称や内容の変更にあたり、 社内からの声はありましたか?男性社員からは、「生理」というワードに触れにくいのか、反対の声はなかったですね。一部の女性社員からは「生理で休む必要はあるのか」との声がありました。生理は人によって症状が異なるのが難しいところです。そういった声があるなかでも、必要な社員が取得できるよう、産業医に「生理やPMSとは何か?」を説明する資料を作成してもらい、社内のポータルサイトに掲載しています。「家族の絆休暇」は、もともと「親子の絆休暇」として、小学生以下の子を持つ社員が子一人につき年間5日間、さまざまな行事で利用してきた制度を、2025年HOLON Vol.207 6左から石井七奈さん、平川沙弥さん、丸山綾さん自動車業界は「100年に一度の大変革期」と言われ、CNDのなかでも企業統合や事業再編といった大きな変化を迎えた仲間も多くいます。この先を考えると、クルマの供給制限は続きそうだし、人手不足は拡大しそうだし、変化はまだまだ続きそうな…。でもそんなときこそ、CNDの語源「新しい飛躍への挑戦」の精神に立ち戻ろう!という心意気から生まれた企画です。伺いました。今回は、「女性活躍」や「両立支援」に欠かせない、各種制度の導入と活用してもらえる風土づくりについて、近年さまざまな制度の改善と、活用しても第8回らうための工夫を凝らし、取得率を向上させている、株式会社桃谷順天館の広報担当・人事担当者の皆さんにお話を      取材協力株式会社桃谷順天館・住所:大阪市中央区上町1丁目4番1号・従業員:401名・事業内容:化粧品・医薬部外品の製造・販売・ 輸出入、健康食品の販売・輸出入

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